日本語は、英語に比べて、抽象的な言語だ。
だから、日本語では、誰もがしょっちゅう使っている表現でも、英語には無い表現や、英語にするとおかしいというものが沢山ある。
例えば、日本人がよく使う「この間ありがとう」という表現。
これを単純に英語にすると、
Thank you for that one time. とか
Thank you for before. ・・・・・というような感じになる。
でも、ネィティブにこんな風に言ったら「??なぜそんな言い方をするんだろう??」となる。
もちろん、文法的に間違えはないし意味もわかる。
しかし、英語では「この間」とはいつのことなのか、何を指しているのかを具体的に言わないと
なぜそんな変な言い方を??となってしまうのだ。
だから、英語で言う時は、
Thank you for driving me to my house.・・
という様に具体的な事柄を入れないと、ネィティブからすると不思議な英語に聞こえる。
「ごくろうさま」とか「おつかれさま」という様な抽象的な日本語も、英語ではぴったりするような単語や表現もない。
どうしても英語で言いたいのであれば、
自分が何か頼んだ仕事をしてくれた場合などは、
Thank you for your work.
とか
Thank you for coming today.
という様な英語表現が近くて使える。
でも、自分が頼んでないことをやっている人に、「ごくろうさま」とか「おつかれさま」と声をかけたい時などに使うのは、おかしいから使えない。
今書いたのはほんの一例だが、うちにレッスンをうけにくる主婦の中には、この様な抽象的or日本語特有の表現(だけど日常的に使われている表現)を英語で言いたい、何と言えばいいですか?
と聞いてくる人たちが結構いる。
それで、「そういう日本語にあたる単語や表現は英語にはない」と前置きした上で、「どうしても英語で言いたいなら・・・・」と、それに近い意味のものや、かわりに使えそうな英語表現を教えている。
そして、実際にはそれをネィティブに言ったら、不思議な言い方だなぁとか、なぜわざわざそんな事を言うの?と思われると思うけどね・・・と付け加えると、以外に驚く人が多い。
日本の本屋では、日本語特有の単語、表現を、英語でどう言うか等の対訳辞典?本?みたいなものが結構売られている。
だから、それを見て、機会があればいつかそれを使ってやろう!と思っている人がいるのだろう。
でも、実際は、英語を第一言語として使っているネィティブからすると、そんな英語を使われたら、ぷっとふきだしてしまうかも・・絶対そんな英語使わないよ・・・・と苦笑いしてしまう様な不思議な英語表現が並んでいるのも事実。
だから、もしこの日本語を強いて英語で言うとしたら・・という意味で紹介してあると認識しておいた方がいいと思う。
それから、
アメリカに住んでいる時、英語を教えていた日本からの語学留学生が、学校やパーティーで、日本語が話せない人たちに、「友達になってください(なってもらえませんか?)」と声をかけてみようと思うんだけど・・・・と相談された事があった。
日本ならおかしくないし、言われた方も好意的に感じてくれると思う。
でも、英語で
Will you please be my friend?と言ったら「あやしい」とか「変な人」だと思われる可能性が高いのでやめた方がいい。
もし、友達になりたくて声をかけたいなら、
I just came to America from Japan a few days ago, so I don’t have any friends yet. Will you please be my friend?
という風に、理由もいっしょに(具体的に)言った方が自然だし、相手も好意的に受け入れてくれると思う。
ということで、今回はこれくらいで。